皮膚の成分

皮膚の構造に関する詳細は、以前のブログ記事「 皮膚の構造と皮膚バリアについてもっと学ぶ」をご覧ください。

1. 私たちの体の主成分である水

水は私たちの体の主要成分であり、平均体重の70%、つまり4分の3を占めています。しかし、年齢、体格、個人の形態によっては、その割合は45%まで減少することがあります。細胞は最も水分含有量が高く、その54%を占めています。細胞は体内で最も多くの水分を蓄えているため、脱水症状による水分喪失の影響を受けます。

2. ケラチン

ケラチンは、皮膚表面に存在する繊維状の不溶性タンパク質で、外部からの物質の侵入を防ぎ、保護する役割を果たしています。皮膚は、角質化という細胞成熟の過程においてケラチンを合成します。角質化とは、皮膚の表層にケラチンが浸透していく過程です。表皮に含まれるソフトケラチンは、毛髪、毛皮、爪に含まれるハードケラチンとは異なります。

ケラチンは、皮膚（表皮）と真皮（爪、毛髪、毛皮）の表層の85%を構成するケラチノサイトによって生成され、基底層から深層へと絶えず再生を繰り返しています。再生サイクルの過程で、ケラチノサイトは必要な栄養素を枯渇させ、その後、落屑によって除去します。

ケラチンには、硫黄含有アミノ酸（アミノ酸はタンパク質の構成要素）であるシステインが高濃度で含まれており、リジンとヒドロキシプロリンは低濃度で含まれています。

3. ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は真皮に存在する親水性（水を吸収または混合する性質）の要素であり、タンパク質と糖からなる分子の集合体です。プロテオグリカンは、細胞外物質（細胞外）が流動状態にある場合、自重の1000倍もの水を固定することができます。ヒアルロン酸は、肌の水分補給、緊張、弾力性に重要な役割を果たします。人体内のヒアルロン酸の半分以上は皮膚組織に存在し、基本的な細胞外マトリックス（細胞から分泌され、周囲の細胞に構造的および生化学的サポートを提供する分子群）の主要成分となっています。ヒアルロン酸の保水力は、粘性と弾力性を併せ持つ優れた粘弾性特性をもたらし、肌と顔の美しさに貢献しています。

ヒアルロン酸は幼少期に豊富に含まれていますが、加齢とともに減少します。大気汚染、タバコ、日光、アルコールなどのフリーラジカルにさらされることでヒアルロン酸の構造が破壊され、その効果は低下します。50歳になると、ヒアルロン酸の量は半分にまで減少することもあります。

4. コラーゲン

真皮の主な細胞は線維芽細胞で、コラーゲンとエラスチンという2種類のタンパク質繊維を合成します。コラーゲンは真皮（表皮の下層）の成分の大部分を占め、皮膚に強度を与え、皮膚損傷時の組織の治癒を促します。コラーゲンは繊維状に組織化されたタンパク質の集合体であり、疎水性で組織の凝集力と抵抗力を高め、ハリと滑らかさを保ちます。

5. エラスチン

これらのタンパク質は、組織に弾力性、柔軟性、そして強度を与える繊維ネットワークを形成します。疎水性であるため水分を吸収せず、密接に相互作用するコラーゲンよりもはるかに低い分子量を持ちます。エラスチンは複雑な分子であり、浸透性がないため、化粧品にはほとんど使用されません。

6. メラニン

メラニンは、体全体の正常な機能に必要なアミノ酸であるチロシンから生成され、メラノサイトと呼ばれる細胞によって表皮に生成される天然色素です。メラニンは、肌や髪の色を決定づける役割を果たします。ほくろ（ほくろ）にもメラニンが含まれ、特に濃い色の場合は顕著です。メラニンの位置と濃度によって光に対する感受性が異なるため、色白の肌は色黒の肌よりも日光に弱いのです。

7. 脂質

真皮の最も深い層である皮下組織は、脂肪と血管が豊富で、皮膚の主要なエネルギー貯蔵庫となっています。脂肪組織は脂肪細胞で構成されており、脂肪細胞は自ら生成した脂肪を蓄え、保護クッション、断熱材、そしてエネルギー貯蔵庫としての役割を果たしています。皮脂腺は皮脂を分泌する腺であり、皮膚表面に蓄えられた脂質のもう一つの供給源です。